構成員の日常活動

京都盆地の常時微動(H/V)を測定しています

地表面は車や風、波などの振動により常に小さく揺れています。これを常時微動と呼びますが、常時微動はその地点の地盤の状況を反映します。したがって、地表で常時微動を測定することにより地盤の状況を推定することができます。特に水平動の振幅を上下動の振幅で割った水平・上下振幅比(H/V)は測定地点の地盤の固有周期と考えることができ、地震被害の推定には欠かせない情報です。未災情報研究領域では、物理探査、地盤工学、地震工学などの技術者が測定した常時微動のH/Vをデータベース化して公開しています。

https://seisimager.com/GeophysicalDatabase/show_map_hvsr.php

H/Vの測定は、下記のような小さな地震計で20~30分、常時微動を測定します。小さな測定器なので、どこでも簡単に測定することができます。正面の山は比叡山です。

下記は、主にモニー物探株式会社と当研究室が最近測定した京都盆地のH/V分布です。図中、赤から黄色はH/Vの卓越周波数が低い地点、緑から青は高い短い地点を示します。一般に卓越周波数は、その地点の基盤深度を反映し、基盤が深いほど卓越周波数が低くなります。京都盆地では、南部の巨椋池干拓地付近が一番基盤が深いので卓越周波数も低くなっており、周囲の山に向かって卓越周波数が高くなっていることがわかります。

(林)