都市斜面の地下水問題とは
都市化以前の郊外では,崖からの湧水を集めて流れている中小河川が数多くありました.東京の武蔵野台地を刻む野川はその代表的な例です.野川の周辺では,“ハケ”と呼ばれる崖下の湧水地を中心に独特の文化と環境が育まれていました.ま […]
長野県の諏訪地方は何度も土石流の被害を受けてきました。土石流の前兆を検知して避難を可能にするために、公立諏訪東京理科大の菊池輝行先生の研究室は、土石流の監視システムを構築しています。このシステムの一環として、斜面未災学研 […]
未災情報研究領域では、7月末から8月初めにかけて、稲崎冨士氏、太田ジオリサーチ、モニー物探、応用地質の皆様の協力で京都盆地でH/Vの集中測定を行いました。この春以降、これまでに測定したH/Vは約260点になります。H/V […]
2024年月7日~12日の間に,FranceのChamberyで開催する14th International Symposium on Landslidesに参加し,研究発表などを行いました.
2024年4月19日から21日にかけて、北海道釧路町の仙鳳趾地区で地すべりの観測メンテを実施しました。低気圧通過後の強風が吹き荒れる寒い気候となってしまいましたが、地震波形データの回収など予定していた作業を無事終えました […]
都市化以前の郊外では,崖からの湧水を集めて流れている中小河川が数多くありました.東京の武蔵野台地を刻む野川はその代表的な例です.野川の周辺では,“ハケ”と呼ばれる崖下の湧水地を中心に独特の文化と環境が育まれていました.ま […]
1338年、南北朝の動乱の最中、足利尊氏が征夷大将軍となり、室町幕府が成立します。この年、未だ不安定な社会情勢であった京都周辺では、石清水八幡宮が兵火にあって消失しました。石清水八幡宮は、859年に創建されたと伝えられる […]
斜面と建築の関係史は坂から始まります.われわれは,昔から斜面を“坂”に造成して,道路や住宅地として利用してきました.事実,東京の坂道には江戸以来の由緒・来歴のあるものが多く,都心においても坂の周りには落ち着いた(やや古い […]
伝説は昔話と異なり,当時の人々が関わった異常な経験を背景としている場合があります.特に大災害の様な特別な危難にあった場合,人々はその後を生きる拠り所を得るために,彼らなりの合理的理由として伝説を必要としてきました.これは […]
斜面災害では他の災害に比べて危険度情報の公開があまり進んでいません。したがってハザードマップについても一般市民を対象としたものはほとんどありません。
技術的側面から見ると、斜面災害の場合、地図作成の前提となる「災害の発生する位置と規模」を特定する事が難しいという困難さがあるからだと思われます。しかし、斜面崩壊のタイプによってはそれらが限定されるため、予測が可能になるケースがあります。地震の際に発生する谷埋め盛土の地すべり的変動に関する予測はその代表例です。谷埋め盛土の変動は埋め立てた範囲で発生することが予めわかっているため、災害の起きる位置と規模(最大の)を明確にすることができます。
このタイプの斜面災害(地震の際に発生する谷埋め盛土の変動)について以下のような手順で作成したハザードマップが、既に公開されています(斜面防災都市、理工図書2002)。
1 実際の災害を調査する
2 変動した谷埋め盛土と変動しなかった谷埋め盛土の位置、形状などのデータベースを作成する
3 データベースから変動に関する統計的な性質を検討し、予測モデルを作成する
4 予測モデルを実際の被災地に当てはめ、予測の精度を確認する
5 災害の発生が起きそうな地域において予測結果を地図化する
現在はまだ少数ですが、こうしたハザードマップの数を増やすことによって都市域における斜面防災発展すると期待されます。
人工改変地形は文字通り人為的に形状を変化させた地形のことです。例えば山の尾根を削り、谷を埋め立てて造られた人工地形等を指します。こうした開発行為によって作り出された地形は、激しい降雨や強い地震等を誘因として、しばしば斜面災害を引き起こします。
これには斜面の力学バランスの変化、斜面崩壊と密接な関係のある地下水の変化(水文条件の変化)等が複雑に関連していると考えられます。特に、谷を埋め立てた「谷埋め盛土」は、地震に対しては脆弱な人工地盤であることがわかっています。
1978年の宮城県沖地震の際の仙台市及びその周辺、1993年の釧路沖地震の際の釧路市及びその周辺、1995年の兵庫県南部地震の際の阪神地域では、多くの谷埋め盛土が地すべり的に変動し、その上に建設されていた住宅が被害を受けました。また最近では2000年の芸予地震によっても松山市や呉市の都市域で人工地形改変に関連した斜面災害が多く発生しました。
我が国では高度経済成長以後、大都市域で急激に斜面災害増加しましたが、その多くは開発すなわち人工地形改変に伴う斜面災害でした。こうした都市型の災害においては、地質・地形等の地盤条件だけでなく施工技術、社会経済的的要因等も含めた総合的な視点から災害の発生を予測し対策を行うことが求められています。
人工改変地形は文字通り人為的に形状を変化させた地形のことです。例えば山の尾根を削り、谷を埋め立てて造られた人工地形等を指します。こうした開発行為によって作り出された地形は、激しい降雨や強い地震等を誘因として、しばしば斜面災害を引き起こします。
これには斜面の力学バランスの変化、斜面崩壊と密接な関係のある地下水の変化(水文条件の変化)等が複雑に関連していると考えられます。特に、谷を埋め立てた「谷埋め盛土」は、地震に対しては脆弱な人工地盤であることがわかっています。
1978年の宮城県沖地震の際の仙台市及びその周辺、1993年の釧路沖地震の際の釧路市及びその周辺、1995年の兵庫県南部地震の際の阪神地域では、多くの谷埋め盛土が地すべり的に変動し、その上に建設されていた住宅が被害を受けました。また最近では2000年の芸予地震によっても松山市や呉市の都市域で人工地形改変に関連した斜面災害が多く発生しました。
我が国では高度経済成長以後、大都市域で急激に斜面災害増加しましたが、その多くは開発すなわち人工地形改変に伴う斜面災害でした。こうした都市型の災害においては、地質・地形等の地盤条件だけでなく施工技術、社会経済的的要因等も含めた総合的な視点から災害の発生を予測し対策を行うことが求められています。