地表面は車や風、波などの振動により常に小さく揺れています。これを常時微動と呼びますが、常時微動はその地点の地盤の状況を反映します。したがって、地表で常時微動を測定することにより地盤の状況を推定することができます。特に水平 […]
2024年3月6日、京都大学防災研究所附属斜面未災学研究センター発足式および創立シンポジウムを、宇治おうばくプラザきはだホールおよびZoom でハイブリッド開催しました。 https://www.dpri.kyoto-u […]
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斜面災害では他の災害に比べて危険度情報の公開があまり進んでいません。したがってハザードマップについても一般市民を対象としたものはほとんどありません。
技術的側面から見ると、斜面災害の場合、地図作成の前提となる「災害の発生する位置と規模」を特定する事が難しいという困難さがあるからだと思われます。しかし、斜面崩壊のタイプによってはそれらが限定されるため、予測が可能になるケースがあります。地震の際に発生する谷埋め盛土の地すべり的変動に関する予測はその代表例です。谷埋め盛土の変動は埋め立てた範囲で発生することが予めわかっているため、災害の起きる位置と規模(最大の)を明確にすることができます。
このタイプの斜面災害(地震の際に発生する谷埋め盛土の変動)について以下のような手順で作成したハザードマップが、既に公開されています(斜面防災都市、理工図書2002)。
1 実際の災害を調査する
2 変動した谷埋め盛土と変動しなかった谷埋め盛土の位置、形状などのデータベースを作成する
3 データベースから変動に関する統計的な性質を検討し、予測モデルを作成する
4 予測モデルを実際の被災地に当てはめ、予測の精度を確認する
5 災害の発生が起きそうな地域において予測結果を地図化する
現在はまだ少数ですが、こうしたハザードマップの数を増やすことによって都市域における斜面防災発展すると期待されます。
人工改変地形は文字通り人為的に形状を変化させた地形のことです。例えば山の尾根を削り、谷を埋め立てて造られた人工地形等を指します。こうした開発行為によって作り出された地形は、激しい降雨や強い地震等を誘因として、しばしば斜面災害を引き起こします。
これには斜面の力学バランスの変化、斜面崩壊と密接な関係のある地下水の変化(水文条件の変化)等が複雑に関連していると考えられます。特に、谷を埋め立てた「谷埋め盛土」は、地震に対しては脆弱な人工地盤であることがわかっています。
1978年の宮城県沖地震の際の仙台市及びその周辺、1993年の釧路沖地震の際の釧路市及びその周辺、1995年の兵庫県南部地震の際の阪神地域では、多くの谷埋め盛土が地すべり的に変動し、その上に建設されていた住宅が被害を受けました。また最近では2000年の芸予地震によっても松山市や呉市の都市域で人工地形改変に関連した斜面災害が多く発生しました。
我が国では高度経済成長以後、大都市域で急激に斜面災害増加しましたが、その多くは開発すなわち人工地形改変に伴う斜面災害でした。こうした都市型の災害においては、地質・地形等の地盤条件だけでなく施工技術、社会経済的的要因等も含めた総合的な視点から災害の発生を予測し対策を行うことが求められています。
人工改変地形は文字通り人為的に形状を変化させた地形のことです。例えば山の尾根を削り、谷を埋め立てて造られた人工地形等を指します。こうした開発行為によって作り出された地形は、激しい降雨や強い地震等を誘因として、しばしば斜面災害を引き起こします。
これには斜面の力学バランスの変化、斜面崩壊と密接な関係のある地下水の変化(水文条件の変化)等が複雑に関連していると考えられます。特に、谷を埋め立てた「谷埋め盛土」は、地震に対しては脆弱な人工地盤であることがわかっています。
1978年の宮城県沖地震の際の仙台市及びその周辺、1993年の釧路沖地震の際の釧路市及びその周辺、1995年の兵庫県南部地震の際の阪神地域では、多くの谷埋め盛土が地すべり的に変動し、その上に建設されていた住宅が被害を受けました。また最近では2000年の芸予地震によっても松山市や呉市の都市域で人工地形改変に関連した斜面災害が多く発生しました。
我が国では高度経済成長以後、大都市域で急激に斜面災害増加しましたが、その多くは開発すなわち人工地形改変に伴う斜面災害でした。こうした都市型の災害においては、地質・地形等の地盤条件だけでなく施工技術、社会経済的的要因等も含めた総合的な視点から災害の発生を予測し対策を行うことが求められています。